―歯科治療に関する疑問についてお答えいたします。―
治療の進め方について
Q1.治療にどれくらい通院しないといけないでしょうか?
A1.
症状の程度によって回数は異なります。
解説
―軽度の虫歯について
ほとんどの方が、1度の治療で終了します。
保険診療内の治療となり、目立たない白いプラスチック素材を詰めて終わる簡単な処置です。
※場合によっては、麻酔が必要となることも御座います。
―中程度の虫歯について
通院の頻度としては、3回程度とお伝えさせて頂いております。
軽度の虫歯と比較しても、治療範囲(削る範囲)が広くなるため、ほとんどのケースで麻酔が必要です。
- STEP1:虫歯を除去する(補強するセメントを入れる)
- STEP2:歯の形を整え、型を取る
- STEP3:歯を装着する
というような流れを、おおよそ3回の通院に分けて進めていきます。
―重度の虫歯について
虫歯が歯の神経や根に到達している場合、重度の虫歯と判断できます。
- STEP1:虫歯・古い補綴物(詰めもの・被せもの)を除去する
- STEP2:歯の神経や根の治療をする
- STEP3:歯の形を整え、型を取る
- STEP4:歯を装着する
歯だけを治療する軽度・中度の虫歯と比べても、神経や根の治療には時間を要します。
通院頻度としては目安として5〜6回程度が予想されます。歯の根の感染が比較的少ない場合は、治療回数も少なくなる傾向にあります。
しかし、感染が広がっている場合や、歯の根が曲がっている場合(前歯・小臼歯などと比べて、奥歯は歯の根が曲がっていることが多い)は、その分、治療が複雑となるため時間がかかる可能性も御座います。
以上のことを考慮しても、初期の段階で治療を開始することによるメリットはたくさんあります。
―抜歯の可能性がある虫歯について
重度の虫歯を放置し続けると、最終的に「抜歯」という判断をせざるを得なくなってしまうことも考えておかなければいけません。
抜歯した方(歯を失ってしまった方)には、その後も治療を継続させていただき、患者様のご要望に合わせた選択肢をご案内させていただきます。
当院では、
- インプラント治療
- ブリッジ
- 義歯(入れ歯)
など、様々な方法によって改善することができます。
どの治療法を選択肢して頂いても、必ずメリット・デメリットが存在します。
患者様に丁寧にご説明させていただき、ご理解・ご納得を頂いた上で、最適な治療方法を決定できれば幸いです。
Q2.他の歯も並行して治療することはできますか?
A2.
通院頻度を減らし、時間を有効的に活用するためにも、工夫しながら複数の治療を並行して進めることもできます。
しかし、あくまでも「治療する歯」と「症状」をみての判断となりますので、全てが適応できる訳ではありません。
解説
例えば、詰めものや被せものが必要となる2箇所の虫歯が存在し、それが上下(または左右)などに位置している場合をイメージしてみてください。
その2つを一度に治療してしまうと、噛み合わせにズレが生じてしまいます。
歯の治療(削る、詰める、被せるなど)は、「噛み合わせ」を意識しながら進めていきます。
あくまでも「最善の口腔環境」にすることを第一に考えた上で、無理のない範囲で、患者様のご要望に合わせた治療を効率的に進めていきます。
治療の中断について
Q3.治療を中断し、行きづらくなってしまいました…
A3.
患者様自らの意思で中断してしまった場合、「歯の状態がどうなっているか」を早めに診察することをおすすめ致します。
解説
治療のどの工程で中断してしまったかにもよりますが、歯にとっては悪影響であることは間違いありません。お気付きになったタイミングで、是非、もう一度ご連絡頂けると幸いです。
以前までの通院記録は、カルテとして残っておりますので、ご安心ください。改めてお口の中を拝見し診断させていただき、口腔内の状態を診査した上で、新たに治療計画を立てさせて頂きます。
Q4.うっかり予約を忘れてしまい、3ヶ月以上立ってしまった
A4.
こちらも、早めにご連絡ください。
解説
歯の治療というものは、各工程に合わせた処置を進めていきます。
つまり、前回治療させて頂いた処置は、次回の治療を考慮した上での治療であるということです。
また、治療途中の歯は、長期間放置され続けると悪化する可能性が非常に高いです。注意しましょう。
―虫歯の治療を中断された方へ
虫歯の治療で使用する詰めものや被せものは、あくまでも「仮」の素材なので、そもそも長期的に使用できるものではありません。
そのまま治療せずに放置して置くと、治療開始当初よりも症状が悪化してしまう可能性は十分に考えられます。
―歯根の治療を中断された方へ
- 痛みがひいた
- 今は痛みがない
という方でも、必ず当クリニックまでご連絡ください。
歯の治療と同様に、歯根や神経の治療を放置することはとても危険(治療前よりも悪化する)です。
―インプラント治療を中断された方へ
インプラントは他の治療と比べても、治療を開始してから完了するまでの期間が長い治療です。それゆえ、何らかの事情によって中断を余儀なくされてしまう方もゼロではありません。その際は、一度、ご相談ください。
インプラント治療も、各工程に合わせて治療を進めていきますが、中断のタイミングが適切なものであれば、治療に影響をきたすことないように進めることもできます。しかし、自己判断でやめてしまうと、せっかく進めていた治療がやり直しになってしまう可能性も高いです。さらに治療期間が長くなったり、費用がかさんでしまうことも想定されるため、注意しましょう。
―仮歯を入れたまま中断された方へ
一見、綺麗でしかりしているように見える仮歯でも、最終的に設置する歯と比べると、非常に脆い作りになっています。よって、長期にわたって使用していると、徐々にすり減っていき、それが他の歯にも影響(噛み合わせが変わる可能性もある)していきます。
インプラント治療などと同様に、自己判断で中断してしまったことで、治療がやり直しになってしまうことも多いため、注意しましょう。
―歯周病治療を中断された方へ
歯周病治療は強い痛みもなく、知らずのうちに進行することが多い病気です。「痛みがなくなったから、大丈夫そう」と安易な自己判断をしてしまうと、さらに症状は悪化し、その分、再治療には多くの時間と費用がかかってしまいます。何よりお身体の為にも、歯周病治療の中断は危険な為、早めに治療を再開するようにしましょう。
レントゲンの使用について
Q5.被曝が心配です…
A5.
歯科医院でのレントゲンは、比較的安全性が高いです。
解説
私たちが一般的な生活を送る中で、普段から放射線を浴びていることはご存知でしょうか。
自然界からも、放射線が発しています。
仮に人間が1年間に受ける放射線の量と、歯科医院でレントゲン撮影をした際の放射線量を比較すると、自然界の僅か1〜2.5%程度であることが分かっています。
Q6.何度もレントゲンを撮るのはなぜですか?
A6.
正確な診査をする為に、複数回の撮影を要する場合がございます。
解説
歯の根の治療をする場合、状態を直接確認することができない為、レントゲンを撮影しながら治療を進めていきます。
その為、治療の経過に合わせて複数回撮影する必要があります。
症状が重度であったり、歯の根が複雑化していたりすると、レントゲンの必要性は高まります。
軽度の場合は1回で済みますので、レントゲンを考慮しても、早期に対処していくことが望ましいといえます。