一度削ったり抜いたりしてしまった歯は、元には戻りません。

当たり前のことのように感じますが、それを理解していても、残念ながらしっかりとケアができている方は決して多くはないのです。

虫歯や歯周病に一番の対策はその予防です。毎日のセルフケアに加えて、定期的に検査を受けたり、クリーニングを行うことで虫歯になってしまったり、歯周病を進行させるリスクが格段に減少します。

口内のトラブルを早く見つけて早期に治療を行なえば、治療にかかる時間や費用を大幅に減らすことができます。

歯や歯ぐきに蓄積されるダメージ量も少なくなるため、口内の健康を末永く保つことにも大きく役立ち、歯を失う将来的なリスクを減らすことができます。口内の状況は、ライフスタイルの変化などにより大きく変わります。定期的に歯科検診（デンタルドック）を受けて、口内の健康を保ちましょう。

歯のメンテナンスを実施する上で、基本的な流れは下記の４ステップとなります。

デンタルドックで欠かせないのが、歯周ポケットの検査です。

この検査では、歯と歯肉の境目の溝（歯周ポケット）に専用の器具を挿入して、溝の深さを測定する検査です。歯周病が進行していくと、歯周ポケットは深くなっていくため、この検査を実施することで歯周病の進行度を把握できます。

歯周ポケット検査時に「歯肉から出血」する方がいらっしゃいます。
これは「歯肉炎」という症状で、歯ぐきが炎症によって腫れてしまうことで、出血しやすい状態になっています。

歯周炎が進行してくると、

といった症状が出はじめます。

これは「歯周病の初期段階」であり、症状が重度になってしまうと結果的に歯周病となります。

歯周病を放置すると、最終的に歯が抜け落ちるだけでなく、身体に様々な害を及ぼします。
歯周病は、強い痛みもなく自覚症状がないまま進行していく病気でもあるため、定期的に検査していくことが望ましいです。

歯のメンテナンスの基本となる「歯磨き」は、虫歯・歯周病の予防には欠かせません。

染め出し液を歯に塗布することで、細菌の付着がある部分に色付けを行い、丁寧に磨けているかをチェックさせていただきます。また、悪習慣の見直しも積極的に実施していきましょう。

日々、丁寧に歯磨きをしていれば、歯に付着した歯垢（プラーク）は取り除くことができます。

しかし、ケアを怠り、歯垢が歯石（歯垢が長時間蓄積されて、石灰化したもの）になってしまうと、歯磨きでは取り除くことができません。歯石は軽石のように、表面がざらざらしているため、通常の歯よりも汚れが付着しやすいのです。

当クリニックでは、専用の機器を使って歯のクリーニングを行い、歯石の除去を行います。歯石は歯周病の要因となりますので、早期に除去して、清潔な状態を維持できるようにしましょう。

歯と強固にくっついて歯ブラシでは落とせないので、専門家に取ってもらう必要があります。超音波の機械を使用し、歯石を除去していきます。（しみる症状やお痛みがある場合は、痛みがでないよう手用の器具などを使用します。）

歯磨きで磨き落とすことができない汚れ（着色）は、エアフローという専用の機械を使って除去していきます。歯磨きでは行き届かない、歯と歯の隙間にある着色も除去することができます。

口の中を清潔にしてむし歯や歯周病を予防し、正しく噛んで飲み込むことは口腔内の細菌を減少させます。ただし正しいブラッシングでも取りきれない汚れがどうしても歯と歯の間などに残ってしまうので注意が必要です。

歯科クリニックでは専門の器具を使って安全に、こうした汚れまで徹底的に取り除けます。

定期的にクリーニングを受けることで、汚れの付きやすいところやむし歯になりやすいところを把握できますし、歯周病の予防や早期発見にも役立ちます。